2026年5月9日、飯塚印刷の社屋で、知人のご家族をお招きして「親子で未来を考える読み聞かせと環境配慮型絵本の取り組み」と題した小さな催しを開きました。2歳から7歳くらいまでのお子さんとそのご家族にお集まりいただき、紙にふれ、工作をして、絵本を読む——そんな半日です。
会場を貸しホールではなく自分たちの社屋にしたのには、理由があります。ここには紙の見本がたくさんあるからです。手ざわりも、厚みも、色も違う何種類もの紙。お絵かきや工作の道具もそろっています。せっかくなら、紙そのものに囲まれた場所で過ごしてほしい。そう考えました。まずは少数のご家族様をお迎えして、ささやかな形からのスタートです。

紙にふれる、紙でつくる
当日は、たくさんの用紙見本を実際に手にとってもらいながら、紙ヒコーキづくりなどの工作も楽しみました。印象に残っているのは、子どもたちがしきりに紙を触りたがる様子です。「ペーパーレス」という言葉をよく耳にする時代ですが、その場にいると、やっぱり紙には紙にしかない手ざわりと楽しさがあると実感します。子どもたちは、それを言葉ではなく、手で確かめていました。
工作の時間について、4歳のお子さんのお父さんからはこんな声をいただきました。「ペーパーレス、ペーパーレスっていうけれど、今日の工作教室は息子もとても楽しそうで、嬉しそうだった」。紙でつくる時間が、子どもにとってどれだけ豊かなものか。あらためて教えられた気がします。
環境に配慮した紙のこと
会場には、FSC認証紙やバガス紙といった環境配慮型の素材も並べました。バガス紙はサトウキビをしぼったあとの繊維からつくられる紙です。ふだんの暮らしのなかで紙の種類を意識することはなかなかありませんが、ふれてみると、紙にもさまざまな個性があることが伝わります。
3歳と5歳のお子さんをもつご家族からは、「紙にも種類がたくさんあることを知れてよかった。環境に配慮した紙があることや、FSC認証のマークはスーパーで見かけることもある。これからそういうものを選んでいってもいいなと思った」という感想をいただきました。FSC認証のマークは、適切に管理された森林の木からつくられた製品の目印です。今日をきっかけに、買い物のときの小さな選択が変わるなら、それはとても嬉しいことです。
「印刷のことは、身近だけれど全然知らなかった」という声もありました。私たちにとっては毎日の仕事でも、外から見れば知られていないことばかり。だからこそ、こうして見て、ふれてもらう場には意味があると感じています。
絵本に聞き入る時間
催しのなかでは、読み聞かせの時間も設けました。絵本を読んでいるあいだ、子どもたちはとても真剣に聞き入っていました。絵本の世界に入りこんでいるような、あの表情。読み聞かせがどれだけ子どもにとって大切な時間かを、その場で見ていてあらためて感じました。2歳のお子さんのお母さんも「読み聞かせって本当に大事だなと感じた」と話してくださいました。
このとき、私たちが手がけるパーソナライズ絵本サービス「マイステラ(MY STELLA)」の絵本も見ていただきました。マイステラは、子どもたちにもっと自分を好きになってほしい、自分自身の星=道標を見つけてほしい、という願いから生まれたサービスです。2歳のお子さんのお母さんからは「マイステラの絵本を見せてもらって、はじめてこんな絵本があることを知った。子どもの誕生日に送りたい。絶対に嬉しいと思う」という言葉をいただきました。

ずっと残る絵本ということ
もうひとつ、心に残った感想があります。5歳のお子さんのお父さんからのものです。「本当に丈夫な絵本なんだなと感じた。これまで絵本が二つに割れてしまったようなこともあったので、ずっと残る絵本って素敵だと思いました。父や母にあげてもいいかと思った」。
絵本は、使い捨てるものではありません。何度も開かれ、長く手元に残り、ときには次の世代へと受け継がれていくものです。だからこそ、丈夫につくること、長く大切にできるものとして届けることを大事にしています。長く残るものをつくるという考え方は、過剰な在庫や廃棄を生まないオンデマンド印刷の取り組みとも、同じところでつながっています。必要なものを、必要なだけ、ていねいに。
子どもたちの未来につながるものづくりを
この日のことは、Webサイトやふだんの発信を通じて、これからもお伝えしていきたいと思っています。環境に配慮した印刷やサステナブルな素材のこと、そして「子どもたちの未来につながるものづくり」というテーマを、地域の印刷会社として伝え続けていく。それが、持続可能な社会づくりに私たちなりに向き合う方法だと考えています。
紙にふれ、絵本に聞き入る子どもたちの姿を見て、私たちが日々向き合っている紙と印刷の仕事が、未来の世代へと確かにつながっていることを実感した一日でした。お集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。



















